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預貯金の終活について考えてみる【タンス預金は面倒な相続手続きが不要】

2021-03-07予備知識

先月、父の姉である90歳の叔母が亡くなりました。

近親者であった叔母の死を経験して、現実的なお金の問題について感じたことを綴りたいと思います。

結論からゆうとタンス預金はおススメだというお話です。

 

私は金融機関に勤めていたので、ノルマもあり叔母に少し預金をしてもらっていました。

叔母が85歳を過ぎた頃、定期預金はすべて普通預金にうつしかえ、その数年後に現金化してタンス預金にしていました。

タンス預金なんてぶっそう!とずっと思っていましたが、今回、実際に叔母が亡くなる前、亡くなってからの金融機関での手続きが省かれ、大正解だなと感じました。

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相続について

相続財産

資産家であれば、ありとあらゆるモノが財産となってきますが、叔母は銀行の預貯金のみでした。

叔母は一度も結婚することなく、おじいちゃんの家に=私の実家にずっと居ましたので、私が結婚する前までの35年間、ひとつ同じ屋根の下で暮らしていました。

しかし私は叔母の相続人ではないので、長いこと一緒に暮らしていた親族であっても、たとえお金のことを本人から任されていたとしても、法律的には権限がないので、相続に関わる取引ができません。

配偶者、子供がいない叔母の相続人は兄弟・姉妹となります。

叔母は4人兄弟姉妹だったので相続人は3人です。

 

相続財産非課税枠

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

※現金・預貯金だけでなく土地・建物などの不動産なども含まれます。

 

叔母のタンス預金は800万円でした。

叔母の場合、非課税枠は4,800万円ですので、相続税はかかりません。

銀行口座の凍結

金融機関に預けられてる口座の名義人が亡くなると口座は凍結されます。

叔母はすべて現金化してくれていたので、亡くなる前の入院費用、葬儀代などすんなり支払うことができました。

 

もし金融機関に預けられていた場合は、亡くなってしまった後は相続財産となるので、葬儀費用・本人の入院費用といえども相続人でないと貯金の引き出しはできません。

相続財産は相続人全員の同意がないと貯金の払い戻しはできません。

銀行側が亡くなった事実を知らなければ、貯金はおろせます。

ただ現在、銀行窓口では生活費の範囲以上の高額な出金については本人確認義務とオレオレ詐欺問題などの影響もあり、引き出しが容易ではないです。

それはもう大変。

相続貯金仮払い制度

相続貯金仮払い制度を利用すれば、葬儀代などの費用にかかるお金を出金できますが、上限があります。

出金できる金額の上限
  • 死亡時の預貯金残高×法定相続分×3分の1
  • 150万円

どちらか低いほうの金額

例えば、タンス預金800万円全額がひとつの金融機関に預けられていた場合、相続人である私の父が銀行の窓口で手続きをとったとして、90万円弱しか仮払い制度として預金を引き出すことができません。

memo

800万円×3分の1(※注1)×3分の1=約888,888円

(※注1)相続人は兄弟姉妹3人

またその際には、故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、相続人の印鑑証明書などが必要となり、かなり面倒です。

そして上記以上の金額は相続人全員に同意・署名をもらうか、遺産分割協議書を作成しなければなりません。

相続手続きはかなり面倒です。

それらを考慮するとタンス預金って正解。

相続財産の紛争がないケースを前提としたお話となりますが、高齢になったら入院費や葬儀代など少なくとも300万円ぐらい現金でもっておくのを推奨したいです。

叔母のように全額タンス預金にしておけば、残された遺族は面倒な相続手続きをしなくてすみます。

 

金融機関に勤めている私は強く感じました。

タンス預金はいい。

高齢になったら手持のお金は必要。

用意しておきたいし、してもらいたい。

 

生前預貯金の高額引き出し

自分のお金なのに・・・。

高齢になると自分のお金なのに、銀行窓口でまとまったお金を引き出すことが大変なの知っていますか?

オレオレ詐欺の影響もあり、50万円あるいは100万円以上を現金でおろそうとしたならば、理由を事細かく聞かれたり、窓口で警察を呼ばれたり、そう簡単には引き出せません。

これは金融機関が防犯上の務めと、現金200万円以上の取引は法律で定められている本人確認法に基づいた対応が必要とされているからです。

本人以外の出金取引

生活費水準以上の金額の払い戻しは、原則は本人でないとできません。なんらかの理由で来店が難しい場合は、委任状や本人の意思確認などが必要となりますし、取引内容によっては対応してくれません。

金融機関によって金額や状況・対応は様々です。

またキャッシュカードの1回で引き出せる出金額も金融機関によって変わってきますがATMからのカードでの引き出しも容易ではありません。

 

高齢というだけでキャッシュカードの1回に引き出せる限度額が低く設定されています。

たいてい1日に引き出せる限度額20万円~30万円。

100万円引き出すのに4回~5回かけて(4日~5日)出金しなくてはなりません。

 

タンス預金のデメリット

タンス預金は金融機関での面倒な手続きが不要でよかったといっても、デメリットもあります。

  • 火事や地震などによる災害での消失リスク
  • 空巣や強盗などによる盗難リスク
  • 紛失するリスク
  • 遺産相続トラブルにつながる可能性あり
  • 相続税が発生する場合は注意が必要(申告漏れ)

こいったことの考慮が必要となってきます。

 

おばちゃん、預貯金をすべて現金化してくれていて本当にどうもありがとう。

 

今回、葬儀などの様々な手続き等をしたのは、相続権がない私の母(義妹)と姉(姪っ子)だったこともあり、本当に助かりました。

 

90歳であった叔母は、長生きできたほうだし寿命といえばそれまでだけど、やはり身近な親族の死はとても悲しいです。

 

母にとっては夫の姉にあたる叔母との同居は、目の上のたんこぶ的な存在だったので、私が物心ついた頃から、母から叔母の悪口めいた事や愚痴などを聞かされることが多くなり、その影響ですこし悪いイメージがついてしまいました。

 

ちっちゃい頃はとても可愛がってもらっていたのに・・お世話になったのに・・

途中で妙な感情をもってしまい、おばちゃんごめんなさい。

 

今までどうもありがとう。

どうど安かにお眠りください・・90年の人生おつかれさまでした。

 

 

 

人間て死んじゃえばそれまで。

葬儀は兄弟姉妹と母と甥・姪たち少人数でしたが、配偶者・子がいない叔母がきちんとした形の葬儀で、供養されたので幸せだったのではないかと思います。

私たち夫婦には子供がいないので、自分に置き換えて考えると、もしダーも兄弟姉妹も先に逝ってしまっていたら、私の葬儀をしてくれる人は誰もいない・・

ちょっと悲しい人生の終末・・

なんて思ってみたり。

ん~ これはもうしょうがない。

子なし人生の宿命だわ。

死ぬまで全力投球でやりきろう。

私はダーより長生きするのだ。みとるのだ。と決めております。

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