商船三井の株が15年経ってやっとプラスに転じた話【投資の心得】
私の株式投資経験を通じて、株のお勉強のひとつにしてもらえるとうれしいです。
2007年に買った商船三井の株がやっと!!!
2022年3月14日取得単価を上回りました。
商船三井(企業概要)
商船三井(9014)は海運業に分類される大手企業です。
鉄鋼原料、石炭、木材チップなどを運ぶ各種専用線、原油を運ぶタンカー、液化天然ガスを運ぶLN線、自動車線、さまざまな製品を運ぶコンテナ船など、多彩な分野で時代の要請に応える総合輸送グループ。世界最大級の船隊と、130年余りの歴史で培った経験と技術で展開しています。
商船三井(9014)の株価
出典:SBI証券
商船三井(9104)
2022年3月14日現在
株価:11,570
この過去1年間、下落もありつつ右肩上がりです。
そして株価は3倍以上になっています。
私は2007年10月30日、商船三井の株を
1,000株
株価:1,942で買いました。
取得コスト 1,942,000円
※売買手数料は計算していません。
商船三井の株を買った動機は、母との会話の中で、
「商船三井の造船系はこれからいいかもね。」
というフレーズにそそのかされたからです(笑)
30年株式投資経験のある私の勝手なジンクスは
他人がオススメしていた株はドツボにハマる。
雑誌とか、今回のように母がなにげに発した言葉だったり、人が良いといった情報を真に受け株を買うと、必ず下落してる気がしますw。
もちろん自分で選んだ企業でも下落することメッチャあります。
おそらく同じ下落でも腑に落ち方が違うから、そんなふうに思うのかもしれません。
商船三井の株は15年間下落し続けました(笑)
出典:SBI証券
2007年の株価をピークに、サブプライムローン問題、リーマンショックで一気に下落。
私はちょうどピークあたりに取得してしまいました。
この商船三井の株に限らず、リーマンショック後はすべての株において大きな損失をくらいました。
あれよあれよという間に、下落、下落、下落。
どうすることもできませんでした。
10年近く放置状態。
しかし商船三井は10年経っても株価は戻らずでした。
そして私はナンピン買いを試みることにしました。
2017年9月27日
商船三井の株価:330
1,000株
取得コスト 330,000円
合計2,000株となりました。
※2018年の売買単位100株に統一されたため現在は200株
取得単価は1,942+330=2,272
2,272÷2=1,136
1,136に下がりました。
※2018年の売買単位100株に統一されたため現在は11,360
ナンピン買いで取得コストを下げたにもかかわらず、その後も下落。
その後、2020年に株価は2,000を下回りました。
驚愕です。
その時点で
ナンピン買いをしたにもかかわらず、90万円以上の損失。
ナンピン買いをしていなければ、170万円以上の損失。
こうなるとクサイ物には蓋をする状態。
見て見ぬふり、放置するしかありませんでした。
株式投資って人間心理との闘いだと私は考えています。
そもそも損切ができないのは私に限ったことだけではありません。
株式の売買単位
2018年10月1日、国内株式の売買単位が100株に統一。
2007年11月時点では8種類
1,000株 100株 1株 500株 10株 50株 200株 2,000株
2014年4月からは2種類
1,000株 100株
そしてようやく2018年に市場の利便性向上のため最終的に完全統一化が図られ、100株に統一されました。
各銘柄により売買単位がちがうとややこしいので、現在は大変わかりやすくていいですよね。
商船三井の株を買った時は2回とも1,000株単位でしたが、現在は100株と変更になってます。
ナンピン(難平)買い
ナンピン買いとは、買った株が値下がりしてしまった場合、取得コストを下げる対処法です。
例えば3,000円で100株買った銘柄を2,000円に下がったとき100株買い増ししたとすると1株当たりの平均購入単価は2,500円となり、利益が出る水準が下がります。
ただしさらに下落してしまうと損失が大きくなりリスクも2倍となります。
下手なナンピン買いは損が膨らむだけ。
ナンピン買いは失敗に終わったと思いましたが、15年の年月を経て、回復して本当よかったです。
時間はリスクを軽減してくれます。
続いて、株式投資をしてゆく中での人間心理にふれてゆきます。
現状維持バイアス
株式投資って本当に難しい。
うまく運用して沢山利益をだす方々もいらっしゃいますが、凡人にはやはり大変な作業だと実感します。
日々株価をチェックして売り時、買い時を見極め売買する。
一見簡単なのでは?と思う部分もありますが、人間心理学的な要因が冷静・客観的な行動を阻害します。
現在の状況を変えずに維持するように望むバイアス。
現在置かれている状況などを保とうとする。未知なるものや未体験のものを受け入れない、保守的な選択をしてしまう。その結果長期的な利益や目標を達成できないという結果に終わることもある。何かを変えることで損してしまうくらいなら、何もせずにいようといった心理が働く。
無意識のリスク回避。
損切りできない。
この人間心理が働いてしまうことで、損をしてしまうくらいなら、何もせず保有し続けようと思ってしまうのが大半なのではないでしょうか。
株式投資でうまく利益を上げていくには損切りは必要です。
損切りできないと、私みたいに15年もの長期間、200万円以上のお金を眠らしてしまうことになります。
でも、損切をしないことにより長い年月をかけて利益がやっとプラスに転じることもあります。
株は余裕資金で運用しましょう。
損失回避によって起こるバイアス
得をする可能性があったとしてもそれ以上に損をしないようにしようという意識の高いことが要因。
今まさに私が置かれている状態。
もう少し様子をみれば、このままもっと株価が上昇する可能性も十分にありえます。
世界的な海運市場の高騰、業績など考慮して客観的にどう判断を下すか?!
15年損をし続けた感情。もうこれ以上損をする感情はしたくないと思い、この段階で株を売って利益確定をしたくなります。
長年、株価が低迷し塩漬けになっていまった株は大抵、やっと株価が回復した段階で手放します。
しかし、その後かなりの確率でもっとそれ以上に株価が上がっている割合が多いのも事実です。
過去に売買したソニーの株もそうでした。
出典:SBI証券
2020年8月4日ソニーの株を株価:8670で売りました。
取得は、2007年5月29日。
株価:6948
ソニーの株も10年以上ずっとマイナスで、やっと2020年にプラスに転じました。
手数料差引いて171,665円利益はでましたが、その後も株価は上昇し続けました。
2022年3月現在の株価は11,380です。
ここ最近の数年は、すべての株価があがっています。
ブレークイーブン効果
投資において「ブレークイーブン」とは「投資費用と利益が一致」すること。過去の損がゼロに近づく、またはプラスに転じるときに、人は単純なトク以上に大きな喜びを感じます。人は損失をすると取り戻そうとして、このような状態に近づくような行動をとる心理状態が働きます。これをブレークイーブン効果といいます。
投資の世界で使われるやれやれ売り。
株が値下がりした後も持ち続け、相場が回復し、買値に近づいた段階で売却する。
そこでやれやれといった気分になることからきています。
相場がさらに上がる可能性があったとしても、それ以上の得を狙うよりも損失をなくすほうを選んでしまう。
単純に得した時以上の喜びがあるという。
人間は心理的バイアスによって行動します。
株式運用は、いかにこういったバイアスを惑わされず、客観的に冷静に判断できるかがキーポイントとなります。
こうして悩んでいる間に、株価が下落しているかもしれません。
こんなに神経すり減らすぐらいなら、投資のプロが運用してくれる投資信託が無難かもですね。
株は損得の変動幅を始めに決めて取り組まないと、永遠に持ち続けちゃうかもしれない・・。